NEWS
新著『福祉社会学の思考』が発売されました
2024.04.08
新著『福祉社会学の思考』(弦書房)を紹介します。
第1部「福祉社会学・再考」で、私のこれまでの30数年の福祉社会学の歩みをふり返っています。私はいったい何をしてきたのかと自問自答しながら。
第2部「福祉社会学の思考」は、これまでの30年間の習作の中からいくつかを収録しました。テーマの中心は「超高齢社会」という意識の中にひそむエイジズムです。また制度的福祉ではない自発的福祉、エイジズムに対抗した米国の高齢者NPOの紹介、米国の「非営利」と日本の非営利との違い、そして「非営利」の可能性でした。
第3部「福祉社会学の課題」では、宮崎駿監督の新作映画「君たちはどう生きるか」に触発されて、主人公「眞人」の中にひそむ悪意(悪ではない悪意)というテーマに挑みました。考えてみると「眞人」という名前は「福祉」に似ています。そして副田義也の福祉社会学は、まさに「社会福祉の中から生まれてくる悪意」をテーマの中心(のひとつ)に据えていました。最後には「アール・ブリュット」に触発されて、最低限の生活保障としての社会福祉が、暗黙のうちに見えない天井となっていること、それを突破する人たちがいることを紹介しながら「福祉」という枠をどう乗り越えていくかを考えようとしています。